不動産売却における割賦販売とは?メリットとデメリットを解説!
不動産売却では、契約時に手付金を受領し、引渡し時に残りの売却代金を受け取るのが一般的です。
しかし、買主が住宅ローンを利用できない場合などに、割賦販売(かっぷはんばい)をおこなうケースもあります。
今回は、不動産売却を検討中の方に向けて、割賦販売で不動産を売却するメリットとデメリットについて解説します。
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不動産売却における「割賦販売」とは
割賦販売とは、商品や不動産の代金を分割して支払う販売方法で、クレジット販売とも呼ばれます。
不動産取引においては、代金の全部または一部を1年以上の期間にわたり、2回以上に分割して受領することを割賦販売と呼びます。
買主の立場で考えると、不動産をクレジットカードのリボ払いや分割払いで購入するイメージです。
割賦販売を用いる際は、現金での販売価格と割賦販売価格、引き渡しまでに払う金額や支払い方法などを決める必要があります。
住宅ローンとの違い
住宅ローンと割賦販売は、いずれも分割払いで不動産を購入する方法ですが、支払いの仕組みが異なります。
割賦販売は、売主と買主が直接分割払いの契約を結ぶ販売方法です。
一方で、住宅ローンは、買主が金融機関から融資を受け、そのお金で不動産を購入し、金融機関に分割で返済していく方法をいいます。
不動産売却では、住宅ローンを利用するのが一般的であり、住宅ローンを利用できる方が割賦販売を選択することはほぼありません。
割賦販売が有効なケースとは?
割賦販売は、買主が住宅ローンを組めない場合に用いられることが多いです。
たとえば、以下のケースは、不動産購入時に融資を受けるのが難しいとされています。
●親子間での取引
●買主が転職して3年未満
●買主が独立してまもない
●再建築不可物件や担保価値の低い土地や建物の売買
●信用情報機関に事故情報が登録されている
親子間でおこなう不動産売買では、ほとんどの金融機関が住宅ローンの対象外としています。
親子間であれば、わざと不動産の価格を高く設定して、多めに融資を受けることが容易なためです。
買主が転職して3年未満や独立して間もない場合も返済能力が低いと判断されやすく、ローン審査に通過するのが難しい傾向にあります。
また、再建築不可物件の売買や信用情報機関に事故情報が登録されている場合も、住宅ローンを組めない可能性が高いです。
再建築不可物件とは、建築基準法の規定を満たしておらず、建物を建て替えることができない物件をいいます。
このように、何かしらの理由で住宅ローンを利用できない場合に、マイホームを購入する手段として用いられるのが割賦販売です。
割賦販売であれば、住宅ローンを組めなくても物件を購入できるため、上記のケースに該当する買主からすると大きなメリットといえるでしょう。
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不動産を割賦販売で売却するメリット
不動産取売買において割賦販売は一般的ではありませんが、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
ここからは、不動産を割賦販売で売却するメリットとデメリットを解説します。
メリット1.不動産売却を進めやすい
割賦販売の場合、住宅ローンの審査結果を待つ必要がありません。
住宅ローンの審査には、仮審査と本審査があり、仮審査が1~3日、本審査には1〜3週間ほどの期間が必要です。
また、本審査は売買契約を結んでからしか受けられず、場合によっては買主が審査に落ちてしまうこともあります。
割賦販売であれば、住宅ローンの審査を待ったり、買主が審査に落ちて契約が白紙になる心配がありません。
買主からしても、頭金の用意や審査の準備などが不要になるため、購入を前向きに検討しやすいでしょう。
メリット2.再構築不可物件でも売却できる可能性が高い
再建築不可物件は、金融機関の担保評価が低いため、住宅ローンの審査にとおりにくい傾向にあります。
住宅ローンを利用できないとなると、買主は現金一括払いで購入しなければなりません。
数百から数千万円という多額の現金を準備できる方は少なく、ほとんどの場合購入を見送られてしまいます。
割賦販売であれば、売主と買主との契約になるため、金融機関の担保評価が低い物件でも売却できる可能性が高いです。
再建築不可物件を早めに手放したい場合は、割賦販売も選択肢の一つとして考えておくと良いでしょう。
メリット3.親族間での不動産売却がしやすくなる
先述したように、親族間で不動産を売買するケースでは、買主が住宅ローンを利用するのが難しい傾向にあります。
住宅ローンが組めないとなると、「相手は親族だし売却価格を安くしよう」と思う方も少なくありません。
しかし、不動産の相場価格と比べて、あまりにも安い価格で売却すると、贈与とみなされて贈与税が課される可能性があります。
このような場合に割賦販売を用いれば、買主が住宅ローンを組めなくても、適正価格で不動産を売却することが可能です。
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不動産を割賦販売で売却するデメリット
割賦販売にはメリットがある一方で、デメリットも存在します。
不動産という大きな資産を手放すわけですから、メリットとデメリットの両方を理解したうえで割賦販売を用いるか慎重に検討することが大切です。
ここからは、不動産を割賦販売で売却するデメリットについて解説します。
デメリット1.支払いが滞るリスクがある
割賦販売のデメリットは、引渡し時点では売却代金の全額を受領していないため、支払いが滞るリスクがあることです。
通常の不動産売却では、売却代金を全額受け取り、物件を引き渡した後に不動産の所有権移転登記(名義変更)をおこないます。
割賦販売の場合、売却代金を全額受け取る前に所有権移転登記をおこなうのが一般的です。
もし、買主が支払いをせずに滞納した場合でも、所有者はすでに買主になっているので、売主は権利を主張することができません。
また、買主が不動産を担保に借入をおこない、万が一返済ができなくなった場合は、売却代金の残りを受け取れないうえに不動産も失う恐れがあります。
このようなリスクを回避するには、売却代金を全額受け取ってから所有権移転登記をするか、支払いが滞ったときに備えて「強制執行認諾文言付公正証書」を作成しておくのが有効です。
強制執行認諾文言付公正証書を作成しておけば、契約者が返済できなくなった場合に、裁判手続きを経ることなく強制執行に移行できます。
デメリット2.贈与とみなされる可能性がある
住宅ローンを利用して不動産を購入する場合には、利息が発生します。
一方で、割賦販売では、売主と買主の同意があれば、無利息で契約することも可能です。
とくに、親族間で割賦販売をおこなう場合、相手の負担を軽減するために利息なしにするケースも少なくありません。
利息をカットして取引すると、税務署から贈与があったとみなされ、利息分が贈与税の課税対象となる可能性があります。
無利息の割賦販売は法的に問題はありませんが、あとで買主から「贈与税がかかるなんて知らなかった」と苦情が入るかもしれません。
贈与税の課税を回避するには、割賦販売であっても相場に合わせた価格設定をおこない、利息を設定することが大切です。
このように、割賦販売には不確実性が伴い、場合によっては大きなトラブルに発展するリスクがあります。
やむを得ない事情がない限り、一般的な不動産売却と同じ流れで取引を進めるのが賢明でしょう。
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まとめ
分割払いで代金を受け取る割賦販売は、土地や建物の売買でも用いることができます。
割賦販売のメリットは、買主が住宅ローンを組めない場合でも分割払いが可能となり、売却が進めやすくなることです。
しかし、滞納リスクや贈与扱いになるリスクもあるため、割賦販売を用いるかどうかは慎重に検討することが大切です。
特別な事情がなければ、一般的な不動産売却をおこない、安心して確実に売却を進めるほうが望ましいでしょう。
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