不動産売却をしても年金は減額されないのか?税金に関する注意点も解説

不動産の売却

不動産売却をしても年金は減額されないのか?税金に関する注意点も解説

高齢の方のなかには、不動産売却をおこなった際に、年金が減額されるのではないかと心配する方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、家や土地などの不動産の売却が受給額に与える影響について解説します。
また、家や土地などの売却にともなう税金についても触れますので、売却を検討中の方はぜひご参考になさってください。
受給者が安心して家や土地などの売却を進めるための、重要なポイントをお伝えします。

年金受給者が不動産売却をした場合受給額は減額されるのか

年金受給者が不動産売却をした場合受給額は減額されるのか

受給をしている方が気にされているのが、不動産売却をおこなった際に収入金額にかかわらず、減額されるなど受給額への影響です。
この項目では受給している方が、不動産売却をおこなった際に受給額が減額されるのか、それぞれの年金ごとに解説していきます。
受給をしている方に気になる項目を記載していますので、参考にしてください。

一般的な年金受給者の場合

年金は、受給者が不動産売却をおこなった場合でも、受給額が減額されるような制度ではありません。
受給している方は一般的に国民、厚生、共済、企業といった各種年金を受給しています。
これらの受給額は、支払った保険料に基づいて支給額が決まっており、不動産売却によって変動する仕組みにはなっていないため安心してください。
前年の所得によって減額される恐れのある在職老齢年金を受け取っている方も、不動産売却による利益は所得の基準に含まれないため、減額される心配は不要です。
基本的に、受給している方が不動産売却をおこなっても、支給額が減額されるケースはないのです。
ただし、不動産売却によって得た利益には税金がかかるため、生活への負担が増える可能性があります。

障害年金受給者の場合

障害年金は一般的な受給者とは異なる計算方式で支給されており、不動産売却をおこなった際に減額や支給停止となる場合があります。
とくに注意が必要なのは、障害基礎年金です。
障害基礎年金とは、障害年金の基礎支給額に相当する部分で、多くの方があまり知らない項目です。
この受給金額の内訳に、20歳前傷病の障害基礎年金に分類される特別な項目があります。
この20歳前傷病の障害基礎年金を受け取っている場合、不動産の譲渡による利益が発生すると、例外的に減額されるケースがあります。
そのため、障害年金を受け取っている方は、自分が20歳前傷病の障害基礎年金を受け取っているかどうかを確認する作業が重要です。
このように、障害年金を受給している場合には、不動産売却による影響を十分に理解し、適切な対応を取るようにしましょう。

年金受給者が不動産売却をする際に気を付けたい税金

年金受給者が不動産売却をする際に気を付けたい税金

受給者の方が家や土地などの不動産を売却する際に、多大な影響が出てくる部分が税金関係になります。
基本的に、売却して利益を得た場合には、確定申告をおこなう必要も出てきます。
この項目ではどういった税金が掛かってくるのかを解説しますので、参考にしてください。

譲渡所得税

不動産売却をおこなった際に利益が発生した場合、必ずかかってくる税金です。
注意点として挙げられるのは、所有した年数によって税率が変わってくる点です。
譲渡所得税とは、まず課税譲渡所得金額を計算して、税率を掛けて求めていきます。
課税譲渡所得金額の計算は、取得費用と譲渡費用を足したあとに、不動産売却して得た金額から差し引く方法です。
税率は5年以下の短期譲渡取得で39.63%となり、5年超の長期譲渡取得であれば20.315%となります。
基本的に、課税譲渡所得金額が0以下の場合は当然ながら、負担が増えるようなケースはないです。
やや複雑な計算になりますが、譲渡取得税は、家や土地を売却するうえでは考えておく必要があります。

確定申告

確定申告とは、1年の所得に対して課される税金を確定させるために必要な手続きです。
不動産売却をおこなって利益が出た場合には、必ず確定申告が必要になります。
確定申告をしていない場合は、ペナルティを科される事もあるため注意が必要です。
重要なのは、税金対策として利用できる特別控除や特例も、確定申告をしていないと利用できない点です。
申告期限は売却をおこなった翌年の2月中旬頃から始まるため、その期間に確定申告を済ませる必要があります。
確定申告をおこなった後は、住民税や保険料、各種税金が増える場合もありますので、あらかじめ準備しておくのが重要です。
申告期限はしっかりと確認をしたうえで、期限内に申告ができるように準備しておくようにしましょう。

年金受給者が不動産売却をおこなった際の注意点とは

年金受給者が不動産売却をおこなった際の注意点とは

家や土地などの不動産売却による利益が発生すると、翌年の国民健康保険料や介護保険料が増加する可能性があります。
また、売却後の生活設計も重要です。
売却益をどのように活用するか、将来の生活費をどのように確保するかを考える必要があります。
この項目では、所有する不動産の売却によって必要になってくる税金と生活設計に関して解説していきます。

必要になってくる税金

家や土地などの不動産を売却する際には、いくつかの税金が発生します。
上記の項目でも解説しましたが、譲渡所得税は家や土地などを売却して得た利益に対して課される税金です。
譲渡所得は、売却価格から取得費用や譲渡費用を差し引いた金額で計算されます。
住民税も、現在の金額より増える可能性が出てきます。
住民税は、前年の所得に基づいて計算される地方税で、譲渡所得にも適用されるので確定申告が必須です。
確定申告を通じて、譲渡所得税や住民税を正確に計算し、納付する必要があります。
これらの税金を適切に処理すると、家や土地などの不動産売却後の増税リスクの軽減も可能です。
また、国民健康保険料を含めた各種保険料も増額になる可能性があるのは、注意点になります。
家や土地などの資産になるものを売却したあとに、きちんと計算しておかないと、さらに複雑な手続きを要求されるケースもあるため、十分に注意しておこないましょう。

重要なのは生活設計

不動産を売却する際に重要なのは、売却後の生活設計です。
売却して生じた利益を、どのように活用するかを慎重に考える必要があります。
利益に関しては、生活費や医療費、将来の介護費用に充てる選択肢が一般的には考えられます。
売却した利益を投資に回せば、将来的な収入源の確保も可能です。
必要になってくるのは、売却後の住まいの確保であり、回避できない問題です。
新しい住まいを購入するのか、賃貸物件に入居するのか、または家族と同居するのかなど、具体的なプランを立てる点が求められます。
現在居住しているエリアに限定するのか、遠方であっても家族との同居を選ぶのかなど、理想としているライフスタイルも考慮するのがポイントです。
生活設計をしっかりとおこなうと、売却後の生活を安定させられるでしょう。
税理士やファイナンシャルプランナーなどからお金に関する専門家のアドバイスを受けながら、最適な生活設計の立案をおすすめします。
売却益を無駄にしないためにも、しっかりと翌年の納税額を計算して、所有する家や土地などの売却をおこないましょう。

まとめ

家や土地などの売却を検討している受給者にとって、売却後の受給額が減額されるかどうかは重要なポイントです。
年金は現役時代に支払った保険料に基づいて計算されるため、家や土地等の売却によって受給額の総支給額が決まっており、減額される制度ではありません。
売却益が一定額を超えると、翌年の国民健康保険料や介護保険料が増加を見越して、売却後の生活設計立案が重要になります。


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