ごみ屋敷となった不動産の売却方法
「ごみ屋敷」という言葉が示すように、長期間片付けられずに物が溢れ、住むことが困難な状況にある住宅は、売却を考える際に多くの課題が伴います。しかし、適切な方法を取れば、ごみ屋敷でも売却が可能です。この記事では、ごみ屋敷の売却を検討する際のステップや注意点、売却前に行うべき対策などを詳しく解説します。

ごみ屋敷の売却に向けた初期の準備
ごみ屋敷を売却する場合、まずは物件の状態を改善し、売却可能な状態にすることが求められます。放置されているごみや物が溢れている状態では、買主が物件に興味を持つことは難しくなります。そのため、まずは以下の準備を行いましょう。
① ごみの整理と処分
ごみ屋敷を売却する前に、まず最も重要なのが「ごみの整理と処分」です。物件内に大量のごみや不要物があると、内部がどんな状態かも分からず、また衛生的にも問題があるため、売却は難しくなります。ごみの処分方法としては以下の方法があります。
自力で片付ける
もし物が少量であれば、自力でごみを分別し、処分することも可能です。自治体のごみ回収サービスを利用するか、リサイクルショップに引き取ってもらう方法があります。
専門業者に依頼する
ごみ屋敷の片付けが大規模で自力で処理が難しい場合、専門の「片付け業者」や「遺品整理業者」に依頼する方法があります。これらの業者は、迅速に大量のごみを処理し、清掃作業を行ってくれるため、物件が売却可能な状態に近づきます。費用はかかりますが、時間や労力を考慮すれば、依頼する価値があります。
② 物件の状態確認
ごみ屋敷では、内部の状態が劣化していることが多いため、売却前に物件の状態を確認することが大切です。物件内の設備や構造が壊れている場合、修繕が必要かもしれません。以下の点を確認しておきましょう。
床や壁の状態: 長期間放置されていると、床や壁に傷やカビが発生していることがあります。湿気やダニの問題がある場合もあるため、専門の清掃業者に依頼して清掃やカビ取りを行うことをおすすめします。
水回りの確認: 水漏れや配管の故障がないか、キッチンやバスルームなど水回りの設備をチェックします。水道が使えない、あるいはトイレや風呂が使えない場合、買主が嫌がる要因になるため、修理が必要です。
③ 必要書類の整理
物件の売却には様々な書類が必要です。ごみ屋敷でも、売却を進めるためには必要な書類を整えておきましょう。以下の書類が必要になることが多いです。
登記識別情報:移行前の不動産については権利証となります。
登記簿謄本: 物件の所有者情報や権利関係が記載された登記簿謄本が必要です。
固定資産税の納税証明書: 物件にかかる税金の証明書を提出します。
過去の修繕履歴: 過去にリフォームや修繕を行った場合、その履歴があると有利です。
④ 周囲の環境のチェック
ごみ屋敷を売却する際には、周囲の環境も重要です。周辺にごみが散乱していたり、住宅地の治安が悪かったりする場合、物件の売却が難しくなることがあります。周囲の環境が悪い場合、売却前に改善する手立てを考えましょう。

不動産会社への相談
ごみ屋敷の売却においては、不動産会社の利用が欠かせません。物件の状態が悪くても、適切な不動産会社を選ぶことで、売却活動をスムーズに進めることが可能です。
① 不動産会社の選び方
不動産会社を選ぶ際は、以下のポイントに注意しましょう。
得意分野を確認する: 不動産会社の中には「リノベーション」「リフォーム」「特殊物件の取り扱い」を得意とするところもあります。こうした会社は、ごみ屋敷を売却する際にも役立ちます。特に、物件の状態が悪くても、改善のアドバイスをしてくれる会社を選ぶと良いでしょう。
無料査定を依頼する: いくつかの不動産会社に無料査定を依頼し、売却価格の目安を把握しましょう。査定額を元に、どの会社に売却を依頼するかを決めます。
経験が豊富な仲介業者に相談する: ごみ屋敷のような特殊な物件を扱った経験が豊富な不動産会社は、売却手続きをスムーズに進めてくれる可能性が高いです。

② 不動産売却の方法
不動産会社に依頼する場合、以下の売却方法が考えられます。
不動産会社が仲介して買主(主に買取業者)を見つけ、売主と買主の間で交渉を行う方法です。
買取業者がリフォームして販売するケースが多いため、屋内の残置物についてもそのままの状態でお取引は可能となります。スムーズに売却が進む可能性があります。
ただし、買取価格は相場より低くなることがあります。
ごみ屋敷でも適切な改善を施し、買主に提案できる条件を整えておけば、売却できる可能性があります。
売却前にリフォーム・清掃を行う
ごみ屋敷の売却を進めるにあたって、買取業者以外でご検討される場合は、必要に応じてリフォームや清掃を行うことが重要です。特に、物件の状態が極端に悪い場合、リフォームを行うことで売却価格を上げることができます。
① 物件のリフォーム
ごみ屋敷では、以下の部分にリフォームが必要となることが多いです。
水回りの修理: キッチン、バスルーム、トイレなど、水回りの設備を修理または交換します。
床・壁の修復: カーペットやフローリングが傷んでいる場合、張替えや補修を行います。
配管・電気の点検: 配管や電気設備に不具合があれば、専門業者に依頼して修理を行いましょう。
リフォームが必要な場合、リフォーム費用がかかることを考慮して、売却後の価格が妥当であるか、査定を再度確認することが重要です。
② 清掃と消臭
ごみ屋敷の売却に向けて清掃と消臭を行うことは不可欠です。長期間住んでいた場合、臭いが残っていることが多いため、消臭を専門業者に依頼することも考えましょう。清掃業者を利用すれば、専門的な清掃が施され、物件の印象が大きく改善されます。

売却の注意点
ごみ屋敷を売却する際にはいくつかの注意点があります。
① 価格の設定
ごみ屋敷の売却価格は、物件の状態やリフォーム費用を考慮して決定します。物件が著しく傷んでいる場合、買取業者に依頼すると安く買い取られることが多いため、あらかじめ価格交渉の余地を確認しておきましょう。
② 売却後の税金
不動産を売却する際、売却益に対して税金が課せられることがあります。特に、長期間住んでいた物件であれば、税金の影響を確認しておくことが大切です。

まとめ
ごみ屋敷の売却は難しい場合もありますが、適切な準備と方法を取ることで、売却可能です。物件の清掃やリフォームを行い、不動産会社に相談することで、スムーズに売却を進めることができます。状況に応じて、リフォーム費用や手間をかけることで、より高い価格で売却できる可能性が高まります。