【2024年】不動産取引にかかる税金について
不動産取引を行う際には、多くの人が物件の価格や条件に注目しますが、忘れてはならないのが「税金」です。
税金は、取引全体のコストを大きく左右する要素のひとつ。物件を購入・売却した際にどのような税金が発生するのか、事前に知っておくことで、安心して取引を進めることができます。
この記事では、不動産取引に関わる主要な税金について、わかりやすく解説します。「固定資産税って何?」「譲渡所得税ってどれくらい払うの?」そんな疑問をスッキリ解消し、不動産取引を成功に導くための税金知識をお伝えします。
固定資産税
固定資産税は、土地や建物などの不動産を所有している場合に毎年支払う税金です。市町村が課税を行い、評価額(固定資産評価額)に基づいて算出されます。標準税率は1.4%ですが、自治体によっては0.3%から2.1%の範囲で調整されることがあります。評価額は、市町村が固定資産評価基準に基づき、地価や建物の種類、規模などを考慮して決定されます。
また、住宅用地の課税は軽減措置があり、例えば200㎡以下の住宅用地は、評価額の6分の1に軽減されます。一方、200㎡を超える部分は3分の1に軽減されます。
収入印紙税
収入印紙税は、不動産売買契約書などの文書に対して課される税金です。印紙税法に基づいて、契約書や領収書などの「課税文書」に印紙を貼ることで納税します。不動産売買契約書に貼付する収入印紙の金額は、契約金額に応じて以下のように設定されています。
・500万円超~1,000万円以下 5,000円
・1,000万円超~5,000万円以下 1万円
・5,000万円超~1億円以下 3万円
・1億円超~5億円以下 6万円
また、営業に関する取引の領収書に対する印紙税や、住宅ローン契約書などの文書に対する印紙税も適用される場合があるため、注意が必要です。
譲渡所得税
譲渡所得税は、不動産を売却して得た利益に対して課される税金です。この利益は、譲渡所得と呼ばれ、次の計算式で求められます。
譲渡所得 = 売却価格 - (取得費 + 譲渡費用)
取得費には、不動産の購入代金や仲介手数料、登記費用などが含まれます。譲渡費用には、売却時の仲介手数料や印紙代などが含まれます。
譲渡所得に対する税率は、不動産の保有期間によって異なります。
短期譲渡所得(保有期間が5年以下)
39%(所得税30%、住民税9%)+復興特別所得税(所得税額の2.1%)
長期譲渡所得(保有期間が5年超)
20%(所得税15%、住民税5%)+復興特別所得税(所得税額の2.1%)
長期譲渡所得の方が税率が低いため、不動産を長期間保有した方が税負担が軽減されます。また、特定の条件を満たす場合(例: 居住用財産の売却)には3,000万円の特別控除が適用されることもあります。
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不動産取得税
不動産取得税は、土地や建物を購入または取得した際に一度だけ支払う税金です。都道府県が課税を行い、通常は不動産の固定資産評価額の3~4%が税額となります。
税率は次の通りです。
・土地および住宅 3%
・住宅以外の建物(商業施設など) 4%
また、新築住宅や一定の条件を満たす中古住宅については、税額が軽減される軽減措置があります。
新築住宅
50㎡以上240㎡以下であれば、固定資産評価額の1,200万円を控除した額に税率がかけられます。
中古住宅
50㎡以上240㎡以下で、昭和57年1月1日以後に新築された住宅 または、新耐震基準に適合することが証明されたものや既存住宅売買瑕疵担保責任保険に加入しているなどの条件が適用された自己の居住用の住宅の場合、築年数により最高1,200万円までを控除できます。
登録免許税
登録免許税は、不動産の登記を行う際にかかる税金です。不動産の所有権移転登記や抵当権設定登記を行う際に支払います。税率は不動産の固定資産評価額に対して次の通りです。
・所有権移転登記(売買によるもの) 評価額の2%
・抵当権設定登記 債権金額の0.4%
住宅ローンを利用して住宅を購入する際には、抵当権設定登記が必要となり、この場合は軽減措置が適用されることがあります。例えば、居住用の住宅に対しては、登記税率が0.1%に軽減される場合があります。
その他の税金
不動産取引に関連するその他の税金としては、都市計画税があります。これは、都市計画で指定されている市街化区域内の土地や建物の所有者に課されるもので、算定方法は固定資産税と同じですが、標準税率は0.3%が上限です。また、贈与税は不動産を贈与された場合にかかる税金であり、贈与された不動産の評価額に基づいて税額が決定されます。
これらの税金は不動産取引時に考慮すべき重要なコストです。
不動産取引には、これらの税金が大きく関わってきますが、知らないと「こんなにかかるの?」と驚いてしまうことも。詳しくは不動産会社に相談して、後悔のない不動産取引を進めていきましょう!