西宮市の 「甲子園春風町・甲子園浜田町・甲子園砂田町」 ってどんな街？
西宮市の 「甲子園春風町・甲子園浜田町・甲子園砂田町」 ってどんな街？
（にしのみやデジタルアーカイブ、町名の由来を参照させていただきました。）
目次：【西宮市の 「甲子園春風町・甲子園浜田町・甲子園砂田町」 ってどんな街？】
甲子園春風町・甲子浜田町・甲子園砂田町は、阪神本線の北側、旧国道と国道2号線の間にあります。中津浜線とその隣に流れている新川が甲子園春風町と甲子園浜田町、甲子園砂田町を隔てています。
甲子園春風町・甲子園浜田町・甲子園砂田町の歴史
枝川と申川の埋め立てと宅地開発
このエリアは大正時代初期までは田んぼや畑が広がっていましたが、大正末から昭和初期にかけて、急速な都市化と中産階級の台頭により土地開発が進みました。
現在の甲子園筋の道路部分は当時、武庫川支流の枝川・申川が流れており、それを埋め立てて出来た広大な土地を、阪神電鉄をはじめ民間が住宅地として開発し始めました。耕地整理や土地の区画整理が行われ、旧国道の北側から2号線にかけて開発が進みました。
甲子園春風町・甲子園浜田町・甲子園砂田町の町名の由来
その当時の地名（字名）は「今津町」で、今津町が西宮市と合併した翌年の昭和9年頃には、宅地分譲が始まったそうです。当時、甲子園などの行楽施設地に近く、鉄道やバスの交通機関に恵まれ、上水道・電燈・電話も整備され、広い公園や学校も設置されました。高級分譲地として販売されていたことが想像できます。全区域が開発され、元の字で「今津春風町、今津浜田町、今津砂田町」となりました。
甲子園春風町の誕生
昭和13年から15年にかけて、今津春風町が誕生しました。旧字の「春杭（はるかせ）」には「春には開墾する」や「岸辺の開墾地」という意味があるそうで、新たに漢字を当てたものだそうです。新しい街づくりへの希望が感じられますね。
甲子園浜田町の誕生
昭和15年には旧字の字浜田も今津浜田町から甲子園浜田町に改称されました。この地域は海浜や川岸に近い田んぼで、昭和初期頃まで九郎兵衛川田と呼ばれていました。これは九朗兵衛さんが開拓した田んぼであり、その名前に由来しているそうです。
甲子園砂田町の誕生
今津砂田町は字砂田で、砂の多い田畑が広がっていました。砂地は水田に向かず、江戸時代には綿花栽培が行われていましたが、国産綿花の需要がなくなると、いちご畑に利用されていました。昭和5年には中甲子園として分譲が始まり、大正昭和の豪商たちが次々と豪邸を建て、大邸宅が並んでいたそうです。松が並ぶ旧堤防には防空壕が作られましたが、空襲で焼け野原となりました。
甲子園春風町・甲子園浜田町・甲子園砂田町の今
戦後の昭和27年には空襲で焼け野原になった区画が再整理され、現在の区画が形成されました。高度経済成長期には農地が少なくなり、住民が増え、転入者が増加しました。特に転勤で入ってくる人が増えたため、高校野球で有名な甲子園の名前を取り入れようという動きがあり、昭和39年には「甲子園○○町」という名前のついた8つの町名が誕生し、現在の街並みが形作られました。
現在もこのエリアは、きれいな区画の住宅街、走りやすい道路、大きな邸宅、整備された公園があり、甲子園駅にも近く大変人気のエリアです。昔の人たちの夢と希望を込めて開発されたこの町は、現代でもその魅力を失うことなく、多くの人々に愛されています。教育環境も整っており、子育て世代にも非常に人気です。
甲子園春風町・甲子園田町・甲子園砂田町は、過去からの歴史と共に、未来へ向けての新しい息吹を感じさせる地域です。
